■前川邸

江戸東京たてもの園で「ル・コルビュジェと前川國男」展をやってたので見に行ってきた。

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園内には昭和の住宅がたくさんあって、前川國男の自邸(1942)も移築復原されている。

前川邸03

「木造モダニズム建築」といえばこれ。

というわけで、お邪魔しまーす。

前川邸01

 

感想。すごく良かった。

いや、良かった。

30坪とそれほど広くない面積ながら、いかにそれを豊かな空間にしようかと尽力したにちがいない。

 

前川國男は大学卒業式の日の夜、シベリア鉄道でパリへ向かい、コルビュジェに弟子入りしている。

その後二年間、コルビュジェの事務所で働いた。

 

この住宅では、サヴォア邸との共通点がいくつも発見できた。

前川が在籍していた頃、サヴォア邸はちょうど設計が終わり工事中だったはず。

水平連続窓、台所の作り方、暖房設備の置き方、窓の穿ち方、収納の作り方、などなど・・・。

大窓の参照はラ・ロッシュ邸かもしれない。

前川邸02

 

帰国後、アントニン・レーモンドの事務所で働いたので、木造建築の作法はレーモンド譲りか。

(本当はコンクリートで作りたかったのだろうと推察する。でも戦時中だったので。)

それらと伝統的な日本式住宅の意匠とが合わさった感じで。

いや、良かった。

 

展示も良かった。

前川邸04

貴重な原図やスケッチの数々。

 

さらに、藤森照信さん、山名善之さん、米山勇さんの御三方によるシンポジウムを拝聴。

近代建築史の良い勉強になった。

しかも、史実には出てこないようなエピソードまで聞けて楽しかった。

点で知っていただけの知識が線になった感覚がした。

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■秋田駅待合ラウンジ

JR秋田駅の待合室が、この春「待合ラウンジ」としてリニューアルOPEN。

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幸運なことに、家具コーディネートを担当させて頂いた。

秋田美大の准教授・小杉栄次郎先生との恊働案件。

 

オープン後の状況を見に行ってみた。

秋田駅待合ラウンジ02

満席。

電車を待つだけじゃなくて、寄合い的にも使えるラウンジ。

テーブルやイスなどの家具は、木の内装に合わせて、木製のものがほとんど。

JRの皆さんからも「すごく評判が良い」と褒めてもらえて、よかったー。。。

 

ちなみに今回の仕事は家具のコーディネートのみなので、(残念ながら…)空間の設計には関わってない。

秋田杉のルーバーで覆われた内外装のデザインは小杉さんによるもの。

天井は平らではなく、高くなったり低くなったりと、ダイナミックな空間を演出している。

 

昨年の秋ごろから、小杉さんをリーダーとして、家具製作者として萩原製作所の若頭・萩原博則さんと、家具コーディネートのサポートスタッフとして私の3人でこのプロジェクトを進めてきた。

 

このブログでもところどころ、その経過を書いてきた。

秋田観光の拠点となる空間のため、秋田が誇れるプロダクトのつくり手・曲げ木家具「秋田木工」や川連塗り工房「寿次郎」にご協力を仰いだり。

さらに、秋田県の形をした巨大スツールのデザインを今中隆介教授に担当して頂いたり。

多くの力が合わさった。

 

まあ過程はともかくして。。。

秋田駅待合ラウンジ01

老若男女、ゆったりとくつろいでくれれば何よりです。

秋田駅待合ラウンジ04

併設の、観光案内所(秋田市の管轄)のインフォメーションカウンターもデザインさせていただいた。

天板には天然秋田杉を使用している。

秋田駅待合ラウンジ03

時刻表や観光ポスター等を掲示しているポスターケースもさりげなくオリジナル。

フレームレスのアクリル製で、木の空間の邪魔をしないよう極めてシンプルにデザインした。

 

ちなみに、写真手前の「アキタリビング」と書かれたこのポスター。

本ラウンジのコンセプトとそれぞれの家具の説明が書いてあるので、ぜひ現地で確認してみてください。

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■クライマックス

3月のとある夜・・・。

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終電後の秋田駅に集められた我々関係者・・・。

秋田駅待合ラウンジ05

この冬期間、JR秋田駅の待合室はリニューアルオープンすべく工事中だった。

この日までにすでに内外装は工事を終え、待合室として仮使用されている。

秋田駅待合ラウンジ06

そして今夜、新たに計画してきた家具の搬入を行なうのだ。

無事に終われば明日の始発から「待合ラウンジ」として、正式オープンだ!

わくわく。

秋田駅待合ラウンジ07

設置を待つ家具たち。

「秋田木工」の家具製品を、この空間のために別注した特別仕様品(スペシャルエディション)だ。

伝統の曲げ木技術。

 

写真手前はご存知不朽の名作、剣持勇デザインのスツール「No.202」。

脚は木本来の色を活かした塗装仕上で、座面はアルカンターラという高級素材を張ったもの。

脚と座のカラーリングはずいぶん検討を重ねたなぁ。。。

 

さて、こちらはダイニングチェア「No.503」。

秋田駅待合ラウンジ10

座面にはこまち普通席シートの生地を張っているという、JR施設だからこそ実現した、鉄道的レアコラボアイテム。

ホームを見下ろせるカウンター席に。

秋田駅待合ラウンジ08

で、こちらは分厚い天然秋田杉を使用したローテーブル。

これはこのプロジェクトに合わせて作ったオリジナル家具。

杉は二ツ井町のくどうはじめ材木店、鉄は五城目の川村鉄工所のご協力のもと。

秋田駅待合ラウンジ09

こちらは一枚の板を折り曲げたようなデザインのイス。

奥のテーブルもオリジナル家具。

オリジナル家具はすべて、萩原製作所にて製作。デザインは秋田美大の小杉准教授。

 

さて並べるぞ。

秋田駅待合ラウンジ11

JR秋田支社の皆さん、萩原製作所の社長はじめ職人の皆さん、秋田木工の社長はじめ職人の皆さん、我々デザインチームと総出で、ワイワイガヤガヤとあっという間にレイアウト。

秋田駅待合ラウンジ12

これ。

普通の駅待合にはまずないであろう、ロッキングチェアの導入も“ラウンジ”と言うコンセプトなればこそ。

座り心地は抜群。

はあー、くつろげる。。。

さすが秋田木工往年の名品。。。

傍らには、バネのように揺れる木製スツール「クルビス」も。

とても面白い座り心地。

秋田駅待合ラウンジ13

こちらは、開封した瞬間みんながどよめいた、川連漆のテーブル。

渋い、かっこいい。

秋田駅待合ラウンジ14

中央にどーんと構えるのは、秋田県の形をした特大スツール。

6つに分割可能で、秋田を走る鉄道のラインが描かれている。

 

座面が波打っているのは、実際の地形を表現したもの。

たしかに、鳥海山のあたりがいちばん高くなっているぞ。

デザインは秋田美大の今中教授。

グレーの素材は、継ぎ目の無いウレタンコーティング。特殊な技術とのこと。

秋田駅待合ラウンジ15

何とミニチュアまである。(非公開品)

 

ふいーー・・・

秋田駅待合ラウンジ17

無事並べ終わって、午前2時頃、解散。

秋田駅待合ラウンジ16

お疲れ様でした!

 

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■将軍野の書斎UP

PROJECTページに、新しく完成したプロジェクト「将軍野の書斎」をUPしました。

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将軍野の書斎01

個人住宅の「はなれ」を増築するプロジェクトです。

既存のお宅とは渡り廊下で繋がっています。

 

何のための「はなれ」かと言えば、本のためです。

お施主さまが何十年もかけて集めた何万冊もの蔵書(の一部)を収納するための「書庫」と、隠居後の「遊び場」が欲しいので、敷地の奥に「はなれ」を建てたいとのご依頼を頂きました。

 

約6000冊以上の本を収納すべき「書庫」は、本の日焼け防止のため、徹底的に光を遮断する空間を必要とします。

一方「遊び場」は、北側に広がる空地を眺め、来客にも対応できる心地よい空間が望まれました。

 

そこで、閉鎖的な「書庫室」を左右2部屋に分けて、真ん中に本を読んだり客人を招いたりできる開放的な「書斎ラウンジ」を配置しました。

外壁とラウンジ内壁をどちらも同じ素材・色とすることで内外が連続して、南側の庭から北側の空地まで風景が通り抜けていきます。

将軍野の書斎02

 

屋根の形状は、近い将来ソーラーパネルの設置を想定した片流れ屋根としています。

本棚など、いろいろなものがお施主さまのDIYによって今後作られていきます。

植栽も「ターシャの庭」のように彩られていくことでしょう。

 

 

 

ところで余談ですが、、、

今回とても嬉しかったのは、駆け出しの自分を、一端の「建築家」として扱ってくださったことです。

お施主さんは実は、秋田を代表する大御所のクリエイターの方だったのですから尚更光栄です。

未熟な部分は多々あったと思いますが、要所要所でつくり手としての姿勢など大事なことを教えて頂きながら、こちらの立場も一貫して尊重して頂き、懐の深さ・器の大きさに感服しっぱなしでした。

また、プライベートでも飲みに誘って頂いたりして、いろんな話をしました。

こうしたお付き合いをさせていただくことで、お互いのことをよく理解でき、信頼関係が築かれ、同じゴールを目指せたと思っております。

大変有り難く勉強になりました。この場をお借りしてあらためて御礼を申し上げます。

そしてこの奇跡的な出会いに感謝します。

 

そして何と、ご厚意により見学も受け入れてくださるとのことですので、ご希望の方はご案内いたします。

問い合わせフォームよりご連絡ください。

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■初サンダー

新しい事務所は工房付き。

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早速、休日に打合せテーブルの製作だ。

棟梁にいい感じの杉材を譲り受け、いい感じの寸法に切ってもらった。

サンダー掛け(機械で表面を研磨する作業)もやってと言うと、「自分でやれ」と。。。

 

仕方が無いので慣れない手つきで、セルフサンダー大会。

工房01

初めてだけれども。

これが意外と面白い。

工房02

職人気取り。

 

出来上がりは当然デコボコ・・・。

まあいいか。

満足満足。

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■お知らせ

事務所移転のお知らせです。

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このたび、渡部光樹建築設計事務所は、秋田市から南秋田郡井川町へ移転しました。

 

井川町は、五城目や八郎潟に隣接する小さな町で、

野山や田園が広がり、桜の名所「日本国花苑」があり、

アマノがあり、井川さくら駅があり、

秋田県初の小中一貫の義務教育学校「井川義務教育学校」があり、

人口5000人弱なのに、年間100人ずつ人口減少していってますが、

のどかでとても良い所です。

ikawa

 

<新住所>

〒018-1512

秋田県南秋田郡井川町北川尻字海老沢巡り23

 

どうぞよろしくお願いいたします。

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■川連塗り見学

昨年から進めている、とあるプロジェクトがいよいよ製作段階に入ったので、進行状況の確認&見学へ。

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目指すは湯沢市川連地区。

萩原製作所の萩原さんの車に同乗させて頂いた。

 

川連といえば、秋田の代表的伝統工芸、「川連漆器」。

今回のプロジェクトでは、明治初期創業の川連塗り工房「寿次郎」さんとコラボレーションしている。

今日は貴重な、その製作の現場を拝見。

川連塗り01

温度と湿度を徹底的に管理された作業場で、漆を塗る職人さん。

0.001ミリのホコリが舞うのも許されない厳格な空間・・・。

塗り終わったら、左側の「風呂」と呼ばれる押入のような部屋に入れ、静かに乾燥させる。

川連塗り02

この工程を何回も繰り返し、漆器は完成する。

途方も無い手間ひまがかかっている。

ちなみにこれはテーブルの天板になるもの。

 

漆器といえばお椀やお箸などの食器がまずは思い浮かぶけど、家具にも漆塗りは出来る。

今回は、光沢のある朱色のいわゆる漆器のようではなく、空間の雰囲気に合うように、ちょっと変わった塗り方と色をオーダーして作ってもらってる。

サンプル検討は無しの、寿次郎さんを信じて一発勝負。

出来上がりが楽しみ。

 

ついでに寿次郎さんの案内で、漆器の元になる木の器(木地と言う)をつくる職人さんの元へ。

川連塗り03

いきなり訪れた我々を快く受け入れてくださった優しい木地職人さん。

さまざまな治具を、体勢を入れ替えながら使いこなし、あっという間に木を削ってお椀の形に仕上げていく。

川連塗り04

左が元々の木。右が完成形。

すばらしい伝統の職人技。

「川連漆器」は幾人もの研鑽された技術が織りなす、ものすごく良い品だと実感した日だった。

あとで絶対買おう。

 

ついでにその足で秋田木工さんへ。

こちらも進行状況の確認。

椅子の脚&背もたれ部分の曲げ木。美しい・・・。

秋田木工イス01

順調に進んでるようで良かった。

秋田木工イス02

ロッキングチェアの肘掛け部分。

秋田木工さんに我々が投げ掛けた、クリアすべき技術的課題(無茶ぶりとも言う)に対し、最善の策を尽くしていただいてありがたい。

良いモノをつくりたい。という思いがひとつになったように感じて、この時ひそかに感動していた。

 

万事順調。

そして翌日。

EK-01

萩原製作所さん担当のイス2種も試作品が完成。

すでにこのままいけそうな出来映え。

デザインは秋田公立美大の小杉栄次郎さん。

ディテールの微調整を検討し、プロジェクトは最終局面へ向かう。

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■謹賀新年

あけましておめでとうございます。

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2017年の抱負は「飛翔」です。

今年もよろしくお願いします。

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■定期講習修了証

このあいだの定期講習の修了証がきた。

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定期講習04

ついでに修了テストの結果も。

正答率100%だって。うれしい。

これからもがんばろう。

 

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あたりまえですが、正しい資質をもって設計に臨みます。

どうぞよろしくおねがいいたします。

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■一級建築士の定期講習

3年に一度、義務づけられている一級建築士定期講習を受けてきました。

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講習は丸一日かかり、最後には修了テストが待ち受けている。

定期講習01

近年、建築士に関する制度は厳しさを増し続けている。

それもこれもいわゆるアネハ事件のせいなんだけど。

定期講習も姉歯事件以降の義務。

 

もちろん建築士に求められる社会的責任はそれほどに大きく、技術的にも道義的にも高水準の資質を保っていなければならない。

試験も、今の一級試験と昔の一級試験では難易度のレベルが全く違うと言われている。

(戦後復興や高度経済成長の「とにかくどんどん建てろ!」という時代と比べたら違うのは当然)

その割に社会的な地位や信用はそんなに高くない。これもよく言われている。

つまり風当たりが強いということ。

でも「姉歯以降」世代の我々はそれが当たり前で、さらなる資質や能力の向上を目指すべきである!

 

つーわけで・・・

定期講習02

月に一回、日建学院で開催されている一級建築士の定期講習。

講師の先生はテレビ画面。

受講人数はたったの8人。

我々の事務所がそのうちの25%を占めていた。

定期講習03

お昼休憩中に見つけた寒そうなノラ猫。

風当たりが強いよね。。。

たくましく生きてけよ。。。

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